長谷川正徳のちょっといい話
第76話 舌
私共の身体は頭から足の先まで、すべて大切で、眼耳鼻舌身意を六根と申します。その中でも体を活かすには舌が一番大切な働きをしています。毎日いただく食物を歯がかみくだき、それを舌が食道へ入れてくれます。 舌がなければ食べれ […]
第77話 生きる金そんなにいらず栗を剥く
生きる金そんなにいらず栗を剥く この句をいつであったか門前の伝動板に書いた。これは朝日新聞の読者俳句欄に出ていた句である。その時ちょうど通りかかった人がこの句がどうもわからないという。どこがわからないのかと聞いてみると […]
第78話 おばあちゃんの読書
問題や、悩みを抱えた時、もうどうにでもなれというような、投げやりな気持ちになったことはありませんか、この世に生を受け、健康に暮らしてゆけることを、当たり前のことと思い、日々を無駄に過ごしていることはないでしょうか。 […]
第79話 オカルトの意味するもの
耳慣れないオカルトという外国語が、訳語もなしに、怪奇・異様という語感で受け取られたままに定着した。ひとつには、オカルトという用語のカバーする領域が広範雑多であり、翻訳のしようのないものである。 エリアーデの引用による […]
第80話 別れのときは必ずくる
人間が死ななければならないものである限り、死を忘れ過ぎた生活が人間に深い幸福をもたらすとは思われません。そこで、宗教的生き方というものが非常に重要になるのです。宗教的生き方の極意ともいえるものは、死と対面することによっ […]
第81話 仏の教は脳死をもって人の死と認めない
政府の「臨時脳死及び臓器移植調査会」は去る6月14日、中間意見をまとめてこれを発表した。様々な意見や論議が日に日に高まっているので、今回はこれを取り上げてみる。 中間意見の内容は、脳死を人の死とし、臓器移植を基本的に […]
第82話 生きるということ
映画監督の木下恵介さんが“生きている”とか“生きた証”とはどういうことかについて話をされていたのを、テレビで拝見してとても感心させられました。 要約しますと、この世に生まれ、生きてきたからには人々にいつまでも忘れられ […]
第84話 恐るべき麻原彰晃の救世主妄想
キリスト教の歴史の中には、異端者を神の名において虐殺したといった事件が数多くあったが、仏教の名においてオーム真理教が行ったような事件は歴史的に絶対なかったのである。 ほんとうの仏教からはこんな残虐きわまりない無差別殺 […]
第85話 日常の心掛け
ある夜のことです。自転車に乗って信号待ちをしている私の横に、いかにも先を急いでいると見受けられる急ぎ足の親子が並びました。左右をジッと見ていた母親が、「車は来ないから、さっと渡ってしまうネ」 といい置いて、おぶっている […]
第86話 天に向かってツバをはく
昔から「人の口には戸は立てられない」と言います。人の口は恐ろしく無責任なもの、自分の都合の良いように言ってしまいがちです。うわさとか陰口と言うものは事実と違って随分とでたらめなことがよくあります。 お釈迦さまのとかれ […]
第87話 お盆によせて
お釈迦様のお弟子に目蓮尊者(もくれんそんじゃ)という方がおられました。 あるとき、今は亡き父母のご恩に報いようと、天国から地獄までお探しになりますと、何とお母様は餓鬼道におちて苦しんでいられたのです。 目蓮尊者は驚 […]
第88話 恐るべき殺人礼賛の「ポア」の理屈
地下鉄サリン事件で林郁夫被告から報告を聞いた麻原彰晃教祖・被告は「シバ神にポアされてよかったね」といって笑みを浮かべたという。 また教団強制捜査のきっかけになった目黒公証役場事務長・假谷清志さんの拉致事件のときもこの […]
第89話 いのちをえらびとる
今年も8月15日の終戦記念日がやってきました。 今もなお、1980年に始まったイラン・イラク戦争が続いています。 先月にはアメリカ戦艦によるイランのエアバス撃墜という凄惨なできごとがありました。 どうして人類は戦うこと […]
第90話 健康は第一の富
皆様お元気ですか、長梅雨の明けたあと一気加勢に真夏の太陽が輝き毎日が厳しい暑さ、夜は夜で寝苦しい、さりとて早や立秋の声を聞く今日この頃でございます。 お体の調子はいかがでございますか、古来「健康は第一の富」と申されて […]
第91話 一度きりの人生
秋のお彼岸がやってまいります。そこでお彼岸にちなんで私たちの人生をふり返ってみましょう。 「もし、もう一度この人生をやり直すことができたら、今よりもう少しましな生き方をするのだがなぁ…」とは誰もが一度は考えることかも […]
第93話 心を彼岸に
「生死を此岸とし 涅槃を彼岸とす」 春秋二回の彼岸の季節は、大自然の躍動と静寂を教える最も美しい時期です。 寒からず暑からず、昼も夜も二分され太陽の運行もまともに東から西へ移りゆく、古人はこれらの自然の運行に身を慎 […]
第94話 敬老と彼岸
◎敬老の日 9月15日 多年にわたり、社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。 ◎秋分の日 9月23日 祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。(国民の祝日に関する法律より) 現在の日本は21世紀に向けて、高齢者社 […]
第95話 心の時代
9月15日の敬老の日にちなんで、厚生省は、恒例の全国高齢者名簿を発表した。 9月30日までに100歳以上となる長寿者は、全国で男 562人、女 2106人の計 2668人で、これは長寿者名簿が初めて発表された昭和38 […]
第96話 老年期は人間形成が頂点である
敬老の日を前に、9月12日厚生省は平成元年の全国高齢者名簿(長寿者番付)を発表した。それによると9月30日までに百歳以上になる長寿者は、前年名簿より400人増えて、3078人(海外在留邦人を除く)となり、初めて3000 […]
第97話 彼岸へのみち
「生死を此岸とし 涅槃を彼岸とし 煩悩を中流となす 菩薩は無想の智慧をもって禅定の舟船に乗り 生死を此岸より涅槃の彼岸に到る 禅定の舟船とは 布施・規律・忍耐・精進・禅定・智慧を指す」 焼けつくような炎暑も去り、残暑 […]
第98話 彼岸に生きよう
「生死を此岸となし、涅槃を彼岸となし、煩悩を中流となす。菩薩は無想の智慧をもって禅定の舟船に乗り、生死を此岸より涅槃の彼岸に到る」 9月、暑さ寒さも彼岸まで、春秋二季の彼岸会は共に季節の変わり目、殊に秋は厳しい暑さか […]
第99話 普通の人
山を登る時、あせってどんどん登る人がいます。初めのうちは、人よりも一歩も二歩も先に立ち、元気いっぱい得意げに登っていますが、やがて疲れが際立って、休む回数が多くなり、後から倦まずたゆまず登ってきた人が追い越して行ったり […]
第100話 人間の弱さ
「忘れた頃に事故は来る」と耳にしますが、ある会社の社長さんは「事故は忘れた頃に来るのではなく、起こした事故を忘れるから、事故を起こすのである」と戒めております。 何事もそうであるように、ものごとに慣れることは大切だが […]