佐藤俊明のちょっといい話

第76話 羊頭狗肉

 今年は未年。(※注) 未は動物でいえば羊。羊というと「羊頭を揚げて狗肉を売る」という言葉を思い出す。 羊頭を揚げて狗肉を売る悪徳商法は昔も今も変わりない。 特に今日は舶来一流ブランド商品のニセモノが横行している。 昨年 […]

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執筆年
1996-1999
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格言
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第77話 天上天下唯我独尊

 4月8日、ルンビニーの花園でお生まれになったお釈迦さまは、そのまま四方に7歩歩いて、右手を上に、左手を下にのばして、    天上天下 唯我独尊   (天が上、天が下、我こそ最も尊きものなり) と、さわやかに宣言されまし […]

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執筆年
1996-1999
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仏教用語お釈迦様季節(春)
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第78話 ただで笠をやってどうするんですか

 おとぎ話から演歌にいたるまで、出てくる仏といえば殆どがお地蔵さまで、お地蔵さまは直に庶民の仏である。 幸田文さんの話だが、母親代わりに孫の授業参観に行ったところ、国語の時間で「笠地蔵」の授業中だったそうだ。  貧しい老 […]

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執筆年
1996-1999
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仏教用語昔話・民話
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第79話 ボケ防止

 人間の脳細胞は140億個といわれるが、20歳を過ぎると1日10万個ずつ死滅してゆくという。したがって50歳になると10億個が死滅してしまう計算になる。  さて、人間の脳細胞140億個のうち、実際にはたらいているのは40 […]

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1996-1999
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生と死病気
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第80話 いずれそのうち

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」 で、人生の無常迅速、人の命は草葉に宿る露にたとえられる。釈尊はじめ、高僧名僧が出家されたのはみな無常観がもとである。 人は無常観によってはじめて永遠を思慕する切なる要求を実感する […]

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執筆年
1996-1999
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生と死
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第81話 ラクダの分配

 アラビアの昔話。  年老いたアラブ人が死ぬ前、三人の息子を枕もとに呼び寄せ、「わしが死んだらラクダをお前たちにやるが、長男は1/2、二男は1/3、末っ児は1/9だ」といいました。ところがラクダの数は十七頭だったので三人 […]

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執筆年
1996-1999
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昔話・民話
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第82話 牛蒡の頭

 禅寺の朝食はお粥に相場がきまってますが、時としてご飯になることがあります。 ご飯には一汁一菜がつきます。 或る朝のこと、その日はご飯でした。  風外和尚は小僧の運んできたお膳につき、箸をとり、まずひと口味噌汁を吸い、「 […]

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執筆年
1996-1999
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禅語・禅問答
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第83話 施食の心

「盂蘭盆似而会施餓鬼」 などという言葉もあるように、お盆の月には、寺々で施食法要がよくおこなわれる。 お盆は、父母祖先に対する孝順供養を教えるものであり、施食は無縁の精霊に供養する慈悲行の大事なことを教えるものである。 […]

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1996-1999
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お盆季節(夏)お施餓鬼
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第84話 一所懸命

 映画のフイルムには一コマ一コマそれぞれ少しづつ違った情景が写されております。しかしそれを一秒間二十四コマのスピードでまわすと、それぞれ異なった情景が抜き差しならない一つのまとまった動きのように眼に映るのであります。   […]

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1996-1999
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お釈迦様道徳・信仰
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第85話 水と氷の如くにて

 昆虫は卵から幼虫になり、幼虫が蛹になり、蛹が成虫になり、成虫が卵を生み、その卵が幼虫になるというふうに姿を全く変えております。つまり完全変態しております。だから蛹の一生を取り出してみると、幼虫から生まれ変わり、死んで成 […]

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1996-1999
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禅語・禅問答
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第86話 相続や大難

 私どもの周囲には、才能のあるにまかせて、あれもやり、これもやりして生命力を分散し、結局は虻蜂とらずの一生を終わる人が少なくなりません。 逆に、たとえ才能には恵まれていなくとも、自らの能力に応じた守備範囲を堅く守って、一 […]

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1996-1999
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お釈迦様昔話・民話禅語・禅問答
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第87話 人間万事塞翁が馬

私どもの周囲には、才能のあるにまかせて、あれもやり、これもやりして生命力を分散し、結局は虻蜂とらずの一生を終わる人が少なくなりません。 逆に、たとえ才能には恵まれていなくとも、自らの能力に応じた守備範囲を堅く守って、一つ […]

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1996-1999
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お釈迦様昔話・民話禅語・禅問答
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第88話 6/7の功徳

 今年は午歳(※注)、十二支でいえば第七位、月に配すると五月、時刻では正午、方位では真南、五行では火、動物では馬ということでこの配分のすがたをみると、元気いっぱいの様が連想される。 今年は元気はつらつの年でありたいもので […]

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佐藤俊明のちょっといい話
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1996-1999
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昔話・民話
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第89話 子供は見ている

『鳩翁道話』にこんな話があります。  昔、ある家に目の見えない姑さんがおりました。嫁さんはひどく邪険に扱って、姑がごはんをこぼすからといってうす汚い木の空箱になんでも放り込んで食べさせておりました。ところが或る日、子供た […]

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1996-1999
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道徳・信仰昔話・民話
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第90話 健康の秘訣

 ウイスキーの「オールド・パー」はトーマス・パーの長寿にあやかってつけられた名前である。 トーマス・パーは102歳で婦女暴行で捕らえられ、18年間の刑に服し、120歳で出獄して結婚、一人の子供をもうけるという精力絶倫の人 […]

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1996-1999
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坐禅(座禅)長寿・高齢化社会
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第91話 南無あぶ陀仏

 今から二百年ほど前、風外本高という風変りな坊さんがいた。 この和尚の絵がまた素晴らしく蛸風外といって世に珍重されている。  大阪、円通院に住持していた頃の話。 この寺は破れ放題に破れた荒れ寺だったが、風外は一向頓着もな […]

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昔話・民話
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第92話 人間の好時節

春、百花あり。秋、月あり。夏、涼風あり。冬、雪あり。もし、閑事の心頭に挂ることなくんば、すなわちこれ人間の好時節。  これは、禅門で有名な「無門関」にある偈(詩)です。 春は百花爛漫として咲き綻び、秋は月が美しい。 夏は […]

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禅語・禅問答
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第93話 涅槃会に思う

 まさに度すべきところの者はすでに度し終わって、大勢の弟子、仏教守護の神々、そして多くの獣物にまで取り囲まれ、嘆き悲しまれて涅槃に入りたもうお釈迦様ほど偉大な別離の光景を演出した方は歴史上かつてなかったし、今後もないこと […]

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仏教用語お釈迦様季節(冬)
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第94話 六道

 六道とは、私どもが生活している心のことである。 地獄は最低最悪、苦しみの極限の世界、餓鬼はいくらあってもまだ足りない、まだ足りないとイライラ、ガツガツしている貪りの世界、畜生は自分で自分をコントロールすることができず、 […]

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1996-1999
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仏教用語
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第95話 お彼岸

「暑さ寒さも彼岸まで」といいまして、たいへんしのぎよい季節となりました。※注こういうと彼岸とは季節の代名詞であるかのようにひびきますが、そうではありません。  こよみをみると、 「緑の週間」「愛鳥週間」「××週間」「○○ […]

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1996-1999
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仏教用語お彼岸
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第96話 三界万霊

 寺には三界万霊牌がある。 境内に三界万霊牌の石塔のある寺も少なくない。 三界とは私どもが生まれかわり死にかわりするこの世界のことであり、万霊とはありとあらゆる精霊のことであるから、三界万霊牌はこの世のありとあらゆる精霊 […]

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佐藤俊明のちょっといい話
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1996-1999
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仏教用語お盆季節(夏)お施餓鬼
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第97話 曼珠沙華の咲くころ

 この間、病いをおして遠くから訪ねて来た知り合いの老人が、「もう会えないだろう」と感慨ぶかげにいうので、名残りを惜しんで羽田空港まで見送った。 いつもは気ぜわしく乗り降りしている空港だが、その日は見送りでもあり、時間もあ […]

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1996-1999
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季節(秋)お彼岸
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第98話 便所掃除

 ある山寺に一人の学者が泊まった。翌朝出発しようとしたとき、見送りに出て来た小僧を見て学者はびっくりして言った。 「そなたは昨晩見た時には死相があらわれていて、3日のうちに死ぬる運命だった。それを言ったとてそなたにはなん […]

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佐藤俊明のちょっといい話
執筆年
1996-1999
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昔話・民話禅語・禅問答長寿・高齢化社会
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第99話 因果応報

 競馬に障害競争があるという。塀を越える際、3メートルの塀を越えるのに4メートル飛んだのではそれだけ遅くなる。 3メートルなら3メートルぎりぎりになるべく低く飛んでうしろ足のひづめの半分が塀のへりにしっかりつく、そのよう […]

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佐藤俊明のちょっといい話
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1996-1999
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第100話 お地蔵さま

 釈尊が入滅して56億7千万年経つと弥勒菩薩が弥勒仏となってその世に出現される。 それまでの末法無仏の世界を仏に代って一切衆生を導くようにと釈尊より委嘱されたのがお地蔵さまである。  地蔵さまは菩薩なので、観音様や文殊普 […]

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佐藤俊明のちょっといい話
執筆年
1996-1999
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