人付き合い
第47話 鈍の徳
辞書をみると、鈍とは切れ味の悪いこと、にぶい、のろい、とがっていないなどとあり、あまりいい意味には使われないが、実はこの鈍、社会生活には大事な要素がある。 クルマの運転でも、鋭角に曲がるには大変だが、鈍角は初心者でも失 […]
第5話 良い人間関係をつくる「会話のコツ」
こんな話がある。 寒い日、彼をにくからず思っている彼女が彼に声をかけた。 「お寒うございます・・・」 すると彼は 「ええそうですね」 ポツリと、これだけ。これではとりつくしまもない。彼の友人が、 「あんな時はアイソの一 […]
第75話 自己という「カラ」
ある日、洋子と則子という二人の少女が、庭でバドミントンをしていました。しかし、洋子の方が圧倒的に強く、何度やっても則子は無残な負け方をするだけでした。やがて則子はやけになって、ラケットを放り出し、試合をしようとしません […]
第32話 崩壊した人間関係
現代の社会問題の起因は「こころの荒廃」であると叫ばれて久しい。多分に被害妄想狂の類い過多で申し訳ないが、この荒廃ぶりは、単に政治や社会、教育の在り方の政策の欠陥を因とするきめつけは、あながち外れではないが、もっと根本的 […]
第38話 今を生きるI
今様に表現すると、トレンドと言うらしいが、高校生やそれに準ずる若者の行動には、とても危ういものを感じる。 殊にもう一昔前からの流行か、あのルーズソックスというのも、自分を主張するために、ほんの少数や個人がファッション […]
第40話 今を生きるIII
高校生達が良く使う「シカト」という言葉は、無視するという事だが、もとは賭博用語で、花札の十月札が紅葉に鹿の絵柄で、鹿がそっぽを向いて紅葉を見ないことから、知ってて知らぬ振りをすることを、「しかとお(鹿と十月札)」と言っ […]
第11話 関係ねえよ!
地下鉄でホームを下りたら、ジベタリアンと呼ばれる種族の一人に出会った。 服装が女子高校生だからコギャルのジベタリアンである。さぞやお尻が冷たかろうと思うと、昨今毛糸のパンツやら、紺パンと呼ばれる短パンもはいているのだそ […]
第24話 立って半畳、寝て一畳
これは、ひと一人が必要な面積です。ひいては、所詮立っても半畳分、寝たって一畳分の面積しか占有できないのだから、大きな家が欲しいとか、あまり背伸びをしなさんなという意味で使われます。 ここまで読んで「まったくだ、どうせ […]
第25話 「維摩(ゆいま)の部屋」その1
「維摩経(ゆいまきょう)」というお経があります。お坊さんではないのに仏教に精通し、それを実践している維摩という人が主人公なんですが、この維摩を『仏教教典散策』中村元編著(東書選書37)で、小気味よく紹介をしてくれている […]
第27話 「維摩(ゆいま)の部屋」その2
さて、前々回紹介した、仏教に精通し、大金持ちでありながら、それに執着することもなく、どんな場所にも出入りをして、周囲の人々を良い方向へ導いていってしまう維摩さん。 その彼が病気との噂がお釈迦さまの耳に。そこでお釈迦さ […]
第34話 上手な断り方
私は、道徳の公開講座「心をどう育てる」の講演の前に、4年生の公開授業を見学した。どの授業を見学しても良かったのだが、「上手な断り方」というタイトルが印象に残ったからだ。 何故か?私の親は「お前は言い方も態度もぶっきらぼ […]
第45話 出会い I
今回は、南アルプス市のreikoさんのリクエストです。「堅いお話から色っぽいものまで、お好きな範囲で結構です」だって。ありがたい話です。でもねえ~、色っぽいといわれても“色で導き、情けで教え、恋を菩提の橋となし、渡して […]
第60話 何であなたがやらなきゃならないの!
世に、人から何か頼まれたら、なかなかイヤと言えない人は多い。頼めば引き受けてくれるから、そういう人のところへは、多くの仕事が来ることになる。なぜ引き受けてしまうかといえば、依頼に対して、NO!と拒否することに罪悪感を覚 […]
第66話 暗い話し方の裏側
密蔵院で「話の寺子屋」の講師をしている村上正行アナは、心のあり方から掘り起こして、参加者の心と話し方をブラッシュ・アップしてくれる。 世にあふれている話し方教室は、広告で“人前で話せない人が、数千人の前でも堂々と話せる […]
第67話 食べ物の好き嫌いと人の好き嫌い
和という漢字は、穀物を表す禾偏(のぎへん)と、食べることを意味する口からできている。つまり、なごやかなのはご飯を食べてる時なのよ、と中国人は知っていた。だから、ご飯はなるべく家族そろって食べましょう! さて、人には食 […]
第71話 言いたいことが後に来る……
世に言われる……“奴は酒は飲むが、仕事はできる”なら使おうと思うが“仕事はできるが、酒を飲む”だと使う気にならぬ……と。これは単に、言葉の順序が大切だというだけでなく、私たちは、本当に言いたいことは最後に言うという習性 […]
第73話 クチ下手
正直なところ、私は知らない人と一緒にいるのが、とても苦手である。何を話したらいいのかわからないからだ。つまり口下手である。周囲の人は、あんなにしゃべっているくせによく言うよ!と言うのだが、それは物事の本質を見ていない発 […]
第102話 さようなら、またね……のあと
密蔵院では、アナウンサーの村上正行さんをむかえて『話の寺子屋』が月一回開かれます。その会で、先月すごくショックなことがあったので、今回はそれをご紹介します。 だいたい勉強会とか研修会なんかは、出席しただけで“できるよ […]
第126話 ソウルメイト
ペンネームwitchさんから、ボランティア活動で知り合ったすごくいい人から、かなり影響を受けて自分の生き方まで変化したみたいだが、そんな運命の人的お題で書いてごらんなさいませ、とリクエストをいただいた。ご自身もそんな人 […]
第146話 無理やり好奇心
11月12日(土曜)、長野市内で約2時間のお話を頼まれた。午後1時からだったが、折しも紅葉シーズン。朝東京を出て、2時間緊張しっぱなしで法話してから、渋滞の高速道路を5時間以上もかけて帰って翌日法事!……では身体がもた […]
第147話 相手への興味、関心、好奇心!
今回は先週(第146話 無理やり好奇心)からの続きです。まずそちらをお読みください。 居酒屋でトイレの場所を知らないという初対面の出張風サラリーマンの言葉に、「ああ、そうですか。失礼しました。では、店員さんに聞いてみ […]
第148話 人に聞こえる独りごと
密蔵院で3年半にわたって「話の寺子屋」の講師をしてくださった村上正行さん(今年6月に亡くなった)は、大正13年生まれ。早稲田大学法学部から海軍へ。そして敗戦。焼け野原の東京で何気なく見た新聞の"NHKアナウンサー募集" […]
第173話 生き方と肩書き
この10月から、東京・荻窪の文化センターで般若心経の講座を一つ受け持つことになりました。講座タイトルは「…なんだそうだ般若心経」。お坊さんが一般の人と接触できるいい機会なので、月1回、全6回を楽しくやらせてもらおうと思 […]