仏教用語
第36話 後悔
今回は16歳の出流さんからリクエスト「後悔」でいきます。 「他人のせいにすることにかけては天才だ」みたいな人が多くなってきたと言われるのに、16歳で今回のお題をくれた出流さんはとてもいい人なんだろうなと思います。 読 […]
第40話 悟りの岸に渡るには……
どうも、仏教では「悟り」の定義ってこれというのは無いんじゃないかと思うんです。 曰く「実の如く自分の心を知ること」「無我」「空」「絶対の心の安らぎの境地」とかね、いろいろです。その世界は言葉では言い得ないので「言説不 […]
第41話 言霊
言葉がもつ不思議な霊力のことをコトダマ(言霊って書きます)、英語で言うと"the miraculous power of language"だ。 かつて森で水滴のレンズ作用か、あるいは乾燥した葉どうしの摩擦か、自然発 […]
第46話 出会いII
えーと、最初にことわっておきますけど、このページは「出会い」とは銘打ってありますが、いわゆる「出会い系サイト」とは全然関係ありません(こうして文字数を無駄にしてるんだ……)。しかし、その手のサイトを利用したい人にこそ、 […]
第48話 引導を渡してやる!
さて、待ちに待ってたリクエストがきたので、今月はそれにお応えしてまいります。まずは白雪さんからの"引導を渡してやる!"です。 この言葉は「誘引化導」の略で、もともとは「仏の道へ誘い、引き込み、導いて、いい人に変化させ […]
第49話 ラッキーナンバー7 〔 I 〕
BDさんから「どうして三回忌の次は七回忌なんですか?」って質問的リクエストがきました。 故人を偲んで、縁ある人が集まって、お坊さんにお経を読んでもらうことを法事と言います(かなり大雑把な言い方だな……)。その法事は1 […]
第56話 小学生に供養をどう説明する?
久しぶりに森さんからリクエストが来ました。「供養ってなに?誰のためにするの?先祖?自分?」というコメントが付されています。そこで、まず供養から。 両親とおばあちゃんと、お墓参りにきた3年生の男の子が、いきなり私に言い […]
第57話 たがために経は読む?
どう聞いても意味のわからないお坊さんのお経(へたをすると読んでいる方にも分からなかったりして……)だもの、いったい誰のために読んでるの?と言いたくなりますよね。だから、森さんや白雪さんからのリクエストの添え書きにあった […]
第58話 聞け!物どもの声
先日、家内(結婚20年になり偉くなったので最近は"お"をつけて、オッカナイと呼んでいる)の前で、これまた二十数年前に父が教えてくれたことを話す機会があった。 ある時、私は父にたのまれて本尊さまにご飯をあげた。用事をす […]
第59話 世間では、一般的に……
順司さんから「一般的に、社会的に、世間では」にどこまで信憑性があるんだろう……というリクエストがきました。 自分では一般的な世間の常識を心得ているつもりで、つい「まあ、一般的に厄年は節分までですよ」なんて言うくせに、 […]
第61話 ショートケーキを二人でどうやって分ける?
仏教についてとてもわかりやすく解説してくれている人に、ひろさちやさんがいる。そのひろさんの講演で、10年前に聞いた話からスタートです。 ここにジュースのビンと空のコップがある。さて、このジュースをABの2人で文句無く […]
第69話 辿りついてみたら……
世界は無数の宇宙が関係しあって存在している。マクロでは全宇宙大、ミクロでは私たちの細胞一つ一つの中にも宇宙が存在し、すべてが関係を保ちながら、全体で一つである――そんな宇宙観をもっているお経がある。華厳経だ(奈良の大仏 […]
第74話 皆に好かれる人よりも…
4月1日に、東京のお寺さんが経営している幼稚園、保育園の新任の先生たちの研修会で、講演と写仏実技の講師を勤めた。 写仏というのは、仏さまを和紙にトレースするひとつの修行だ。しっかりしたものを描こうとすれば、普通で2時 […]
第78話 トラウマを克服する ―オセロ編―
私の嫌いなゲームのひとつに、オセロがある。なぜ嫌いかというと、先を考えないと、次々にどんでん返しになって負けてしまうからだ。 今この時を、より良く生きることに全精力をついやしている坊さんだから、あまり先のことは考えない […]
第79話 いつか言ってみたい一言
歳相応の色気今月はじめ、奈良の長谷寺で、30分の法話を6回やった。次の出番で待っていたつくば市一乗院のご住職、鈴木暁仁僧正が、控室に戻った私に「名取さん、あんたの話は江戸風の歯切れの良さと、何より歳相応の色気があっ […]
第81話 南京玉簾的仏教
今回お題をいただいた都鳥さんは、ご詠歌を勉強している方です。歌をうたいながら仏教の勉強ができるというスグレモノのご詠歌の中には、数字のつく仏教語がたくさん出てきます(二利(にり)、四恩(しおん)、六波羅蜜(ろくはらみつ […]
第84話 なんか変だよなあ
中学3年の受験勉強でよく深夜放送を聞いていた。学生でデビューしたてのユーミン(荒井由美)がゲストにでて、30分マイクを任されて、生で初々しくベルベット・イースターなんかを歌ってくれた(新橋のヤクルトホールで観客が四分の […]
第88話 雑巾がけと、ハタキかけ
群馬県の赤城山の麓に金剛寺というお寺がある。住職の志田洋遠さんは子供会を30年近くもやっている。5年前、この住職から面白い話を聞いた。 夏なのに、冬休みの話で恐縮だが、冬休みの子供会は、まず本堂の掃除からはじまるそう […]
第95話 旦那とドネーション
仏教で、心がやすらかになる方法の一つが布施。坊さんの私が言うと“ナンダ…、またカネの話か”なんて思われそうですが、それはまた別の機会に書くことにします(コッチにだって、言いたいことあるんだからね!)。 さて、気を取り […]
第98話 花束贈呈の謎
私は覚えていないけど、どうやら私の母は、私を口から先に生んでくれたようで、司会をさせてもらった結婚披露宴は10をこえる。多くは、来賓の肩書で専門用語が多いお坊さんの披露宴だ(来賓の中で、黒の洋服で来るお坊さんが多い時、 […]
第117話 粋な浮気と野暮な浮気
“般若のお面の般若って、仏教に関係あるんですか?”と時々きかれることがある。般若心経を唱えている人ならば、般若が智恵(ちえ)という意味(パーリ語のパンニャの音写語)だということは知っている。だとすると、どうしてその智恵 […]
第133話 Stay out of it
今回はミケさんからの「ギャンブルで何か」というリクエストをうけて綴ってまいります。 ギャンブルと言えば、私にとってはパチンコ。大学生の頃、三時間ほど早めに家を出てパチンコ屋に入り、結局学校に行かなかったことは、一度や二 […]
第140話 二股大根、八百屋の隅に捨ててある
それにしても、今回の兵庫の山口さんからのお題は、妙にイメージしやすいですね。どこかで見たことあるような……でも、一般の八百屋さんではあえて二股大根の仕入れはしないでしょうから、見ている筈はないわけです。私の想像力過多か […]
第141話 天寿って何?
『広辞苑』によると天寿とは“天から授けられた寿命”とあります。しかれば、天とは何だ?……と調べてみれば、空や空模様などに続いて “[4]天地万物の主宰者。創造主。帝。神。また、大自然の力。「天命」「天然」”とあり、[5 […]