失敗から学ぶ
第24話 こころの鍵
知り合いの若奥さんがやって来て、開口一番、「昨晩はサンタンたるものでした」という。「どうしたの?」と訳を訊ねると、カギをなくしてわが家に入れず、主人の帰りを待ったのだが、終電でも帰って来ない。“どうしたんだろう”と思っ […]
第39話 ケチは丸損
山寺にケチな和尚がおり、桶に飴を入れ大事にしまっていて、時折一人でこっそり舐めていた。 そして一人しかいない小僧には、「これを食えば死ぬぞ」と言っていた。しかし小僧はそのウソを見抜いていた。 ある日和尚が外出した。小僧 […]
第56話 正しい宗教に生きること
前回、絶対随順について話をしたが、オウムの信者はまさに絶対随順の信仰生活をしている。ここで大切なことは、その宗教が本物か否か、見分ける見識を持つことであるが、これがたいへん難しい。 戦前においては、旧制高等学校から大 […]
第52話 現代の文明に安全の哲学を-花巻空港事故に因んで-
先日(※1993年4月18日)、岩手県花巻空港で日本エアシステムの飛行機が着陸に失敗し炎上した。間一髪で最悪の事態は免れたが、検証の結果、副操縦士の操縦ミスによるものだという。名古屋近在の農協のツアー一行が乗っていて、 […]
第75話 自己という「カラ」
ある日、洋子と則子という二人の少女が、庭でバドミントンをしていました。しかし、洋子の方が圧倒的に強く、何度やっても則子は無残な負け方をするだけでした。やがて則子はやけになって、ラケットを放り出し、試合をしようとしません […]
第100話 人間の弱さ
「忘れた頃に事故は来る」と耳にしますが、ある会社の社長さんは「事故は忘れた頃に来るのではなく、起こした事故を忘れるから、事故を起こすのである」と戒めております。 何事もそうであるように、ものごとに慣れることは大切だが […]
第65話 採用最終合格の基準
2年前から毎月1回、密蔵院で、午後7時からやっている「村上正行さんの話の寺子屋」――この村上さんはNHKからニッポン放送(現在フジサンケイグループの親玉)開局と同時に移籍。以後ニッポン放送で定年まで過ごされて、今年80 […]
第107話 頑張ってって言わないで
うつ病の人に“がんばって”と言ってはいけない。回復しようと一所懸命になって頑張っていて、それ以上は無理なのに、そんなことを言われれば、精神的負担が増し症状が悪化することがあるからだ。 身近な人を亡くして間もない人にも […]
第127話 盲目の尊敬
森鴎外の短編に、破天荒な言動をする二人の僧侶と、その二人が文殊菩薩と普賢菩薩の生まれ変わりだと聞かされて会いに行く人物を、ユーモラスに描いた『寒山拾得』がある。鴎外はこの作品の中で、物語をあえて中断して、話の流れをスム […]
第144話 ザケンナ!
“他人を恨むエネルギーと許すエネルギーはだいたい同じである”という言葉に出合ったのは30歳代前半だっただろうか。何となく気になる言葉だったので、今でもしっかり脳裏にインプットされている(仏教者が言った言葉かどうははっき […]
第151話 わたしゃマダマダだな
30人程と一緒に四国遍路(八十八カ所霊場)を初めてした時のことだ。 初日の宿は宿坊。つまりお寺で宿泊である。境内にバスが6台近くも入っていたから、たいへんな数のお遍路さんたちである。 さて夕方、部屋でくつろいでいると、 […]
第152話 誰ぞ知る、あんたが汚したんじゃないことを
前回は、宿のお風呂場でスリッパをどう脱ぐかということを、否、きちんと脱げないからこその修行なんだということを書きました。 次に使う人の身になってスリッパを脱ぐ。掃除する人の身になってゴミを散らかさない。このように相手の […]