時事問題
第56話 正しい宗教に生きること
前回、絶対随順について話をしたが、オウムの信者はまさに絶対随順の信仰生活をしている。ここで大切なことは、その宗教が本物か否か、見分ける見識を持つことであるが、これがたいへん難しい。 戦前においては、旧制高等学校から大 […]
第79話 オカルトの意味するもの
耳慣れないオカルトという外国語が、訳語もなしに、怪奇・異様という語感で受け取られたままに定着した。ひとつには、オカルトという用語のカバーする領域が広範雑多であり、翻訳のしようのないものである。 エリアーデの引用による […]
第84話 恐るべき麻原彰晃の救世主妄想
キリスト教の歴史の中には、異端者を神の名において虐殺したといった事件が数多くあったが、仏教の名においてオーム真理教が行ったような事件は歴史的に絶対なかったのである。 ほんとうの仏教からはこんな残虐きわまりない無差別殺 […]
第88話 恐るべき殺人礼賛の「ポア」の理屈
地下鉄サリン事件で林郁夫被告から報告を聞いた麻原彰晃教祖・被告は「シバ神にポアされてよかったね」といって笑みを浮かべたという。 また教団強制捜査のきっかけになった目黒公証役場事務長・假谷清志さんの拉致事件のときもこの […]
第21話 映像の嘘 I
終戦間際の誕生の私(と言うことは、映画産業の一番華やかな昭和三十年代を、青春時代と共に送った)にとって、映画程心ときめかせたものはないし、文化もファッションも憧れも、情報全ての収集源であったから、月平均10本の割りで、 […]
第22話 映像の嘘 II
先章の映像の重大な社会問題とは、創られた嘘の事象を、あたかも本物の如く思い込むという事にある。そんなことは現代では当たり前で、別に重大なことではないように思われがちだが、そのものが嘘だとわかって、嘘を楽しむ分には良い。 […]
第23話 映像の嘘 III
スティーブン・スピルバーグの「ジュラシック・パーク」や、「ゴジラ」をご覧になっただろうか? SFXを駆使する90年代の映画産業は、ハイテク技術革新の企業戦争と言われ、80年代後半から発達したデジタル技術により、CG( […]
第28話 新幹線症候群I
「新幹線症候群」は、尊敬する先輩吉田生而先生の造語である。症候群は、普通はカタカナ語でシンドロームと表現され、もとは医学用語で身体に同時に発生した一連の症状というが、今日では「……の傾向」とか「……的性向」という意味に […]
第29話 新幹線症候群II
吉田先生から「新幹線症候群」の話を聴いたのは、10年以上も前の気がする。 真言宗の教理を説くために新幹線の話をなされ、乗ったら降りる式の結果だけを重視して、悟りのみを求めるのではなく、一つずつ積み上げる修行の果てに悟 […]
第30話 新幹線症候群III
医師や看護婦さん、ソーシャルワーカー、主婦の方と結成した「生と死を考える会」の執行部を10年目で退任させて戴いた。 理由は、ふと思いついて始めた、新聞の切り抜きが原因である。その年の1月元旦より、ニュースやノンフィク […]
第46話 米国多発テロ
9月11日午前8時45分(現地時間)、丁度午後の10時前後のテレビのニュースを眺めていると、世界貿易センタービルが噴煙をあげる光景が映り始めた。手元のリモコンに触れて、映画に画面が変わったと思った。 実はあってはならな […]
第47話 軍事報復
米国のブッシュ大統領は、今回の卑劣極まりない衝撃の大惨事を、イスラム過激派による同時多発テロと確認し、国内外に表明後、直ちに世界各国の理解と協力を求め、無差別テロの撲滅へ軍事報復の対決姿勢を示した。 それは、「新しい […]
第48話 平和への祈り
米国の、テロ組織やタリバン政権に対する軍事報復は、依然として過激に続いている。 被害も続出し、兵士は勿論一般民衆にも及んでいるらしい。兵士も国民も、人間同士なのだから命の尊さには変わりは無い。 それは攻める側の米国 […]
第50話 仏教の主張
『アメリカ同時多発テロについて』 「(略)テロは、自由と民主主義の敵であり、力を合わせてその再発を防止したいと願っておりますが、このたびのテロの根底にある宗教的信念が見え隠れしている報道に接し、問題の深さを感じます。私 […]