生きかた
第78話 おばあちゃんの読書
問題や、悩みを抱えた時、もうどうにでもなれというような、投げやりな気持ちになったことはありませんか、この世に生を受け、健康に暮らしてゆけることを、当たり前のことと思い、日々を無駄に過ごしていることはないでしょうか。 […]
第80話 別れのときは必ずくる
人間が死ななければならないものである限り、死を忘れ過ぎた生活が人間に深い幸福をもたらすとは思われません。そこで、宗教的生き方というものが非常に重要になるのです。宗教的生き方の極意ともいえるものは、死と対面することによっ […]
第82話 生きるということ
映画監督の木下恵介さんが“生きている”とか“生きた証”とはどういうことかについて話をされていたのを、テレビで拝見してとても感心させられました。 要約しますと、この世に生まれ、生きてきたからには人々にいつまでも忘れられ […]
第91話 一度きりの人生
秋のお彼岸がやってまいります。そこでお彼岸にちなんで私たちの人生をふり返ってみましょう。 「もし、もう一度この人生をやり直すことができたら、今よりもう少しましな生き方をするのだがなぁ…」とは誰もが一度は考えることかも […]
第26話 豊かさのうらがわ
このごろすこし変で、折角物が豊かにあって、生活水準が上がったと思うのに、自分だけ良いように考えて、他の人は無視するか、差別するばかりです。 子供のころ、物が一つしか無いのはあたりまえで、ラジオも一つ、テレビも一台、ご […]
第33話 消える美学
毎日漫然と過ごしていると、緊張感というか、感覚や反応も鈍くなって、物事をなおざりにしたり、明日に持ち越したりは当たり前で、近頃の便利さが、今という時の大切さを、忘れさせるように仕向けるのか、一々記憶する煩わしさの逃避を […]
第8話 物事への関心度がわかるゲーム
密蔵院では、月に1回「話の寺子屋」を開催しています。 講師は元ニッポン放送パーソナリティの村上正行さん。78歳の大ベテランです。 この話し方教室は、言葉は心の現れだから、心をみがかないと、人を動かす話はできないという […]
第10話 苦 ―ご都合通り―
暖かい日の翌日、急に気温が下がると「住職さん。こう急に寒くなったんじゃ、かなわねえよな」と玄関で言うオヤジさんがいます。その時にはこう返します。「そりゃ、旦那のご都合通りにはいかないよ」 仏教は、私たちがどうやって生 […]
第15話 かわかない心
秋田のカニさん(もちろんペンネーム)からお題「渇かない心」をいただきました。ありがたいことです。そこで、第8話でご紹介したパーソナリティの村上正行さん(78)の忘れられない一言というのをご披露します。 村上さんがまだ […]
第19話 わたし、えらい?
前回の父の発言と同じ頃――今年中学二年の娘が3歳のことです。 ある日の夕飯、まだ小さかった娘が食べ終わったのは、いつものように、家族の中で最後でした。家内はすでに洗い物を開始。私はお茶を飲みながら、娘の行動をウォッチン […]
第25話 「維摩(ゆいま)の部屋」その1
「維摩経(ゆいまきょう)」というお経があります。お坊さんではないのに仏教に精通し、それを実践している維摩という人が主人公なんですが、この維摩を『仏教教典散策』中村元編著(東書選書37)で、小気味よく紹介をしてくれている […]
第28話 神田正輝さんと昭和新山
テレビ番組に、有名人の旅モノがありますよね。かなり前に神田正輝さんが北海道の昭和新山を登る番組がありました。昭和18年からとつぜん畑に出現し、2年かけて標高407mに成長した火山です。まだ水蒸気をあげ、溶岩の熱気を残し […]
第30話 梅雨
世の中は、点のあるなしで大違い。ハケに毛があり、ハゲに毛がなし……私もこの間まで頭だったところがおでこになりました。他にも点々のあるなしで、気分が違うものに、梅雨時の形容があります。ジトジトとシトシト……。ねっ!違うで […]
第32話 マトリックスの仏教仕立て
映画マトリックスの第2弾が封切られて2週間(私はまだ見てません)。第1作ではジャンプした人間が空中で静止しているのにカメラがグルリとその周囲を回るカメラワークに度肝を抜かれ、エージェントの「人間は増殖し他の場所を浸食し […]
第43話 暗号解読表
テレビで、業界初のペーパーフィルターで抽出した缶コーヒーのCMをやっている。で、コーヒー好きの私は思った。「へぇ、それじゃ今までは何を使ってドリップしてたんだろう?でも、きっと味が何か違うんだろうな」 お坊さんとコー […]
第44話 駄目、駄目、レンズの目
この春、幼稚園をやっている先輩のお坊さんから、なるほどと唸る話を聞いた。 「運動会で、ビデオカメラでわが子を撮る親がいるけどね。」「ええ、私も場所取りできないで、家内に怒られた……。」「自分の子供が競争している時に、わ […]
第51話 手相
ハンドルネーム、スーパーチビスマ主婦さんから「手相」で一席、とメールをいただきました(○○してそう、○○やってそう、なんてオヤジギャグは今回はやりません)。 今までに手相を見てもらったのは一回。それも10年前の35歳 […]
第53話 どうして人は歌うのか
『日本音楽の再発見』(講談社現代新書462)は作曲家團伊玖麿さんと、東京芸大の小泉文夫さんの対談集。ありとあらゆる分野から音楽文化を語っていて、とても面白い本です。 この中で、月に一回の声明(節付きのお経や讃)ライブで […]
第60話 何であなたがやらなきゃならないの!
世に、人から何か頼まれたら、なかなかイヤと言えない人は多い。頼めば引き受けてくれるから、そういう人のところへは、多くの仕事が来ることになる。なぜ引き受けてしまうかといえば、依頼に対して、NO!と拒否することに罪悪感を覚 […]
第61話 ショートケーキを二人でどうやって分ける?
仏教についてとてもわかりやすく解説してくれている人に、ひろさちやさんがいる。そのひろさんの講演で、10年前に聞いた話からスタートです。 ここにジュースのビンと空のコップがある。さて、このジュースをABの2人で文句無く […]
第62話 智恵と智慧(ちえ)
今回はまず、知と智、恵と慧、の違いから。漢和辞典によると“知”と区別して、おもにすぐれた知力の場合に使われるのが“智”だとあります。そして“恵”と“慧”は、“恵”が文字通り、ものをいつくしんだり、めぐむ力なのに対して、 […]
第66話 暗い話し方の裏側
密蔵院で「話の寺子屋」の講師をしている村上正行アナは、心のあり方から掘り起こして、参加者の心と話し方をブラッシュ・アップしてくれる。 世にあふれている話し方教室は、広告で“人前で話せない人が、数千人の前でも堂々と話せる […]