生きかた
第68話 道がつくには……
今回は俳句の根本先生との会話からスタートです。 根本さんはあちこちの会で200人くらいのお弟子さんがいる。私が昔通っていた喫茶店の常連さんの一人だった。 ある時カウンターにいた私に、根本さんがコーヒーカップを手にして […]
第82話 霊のしわざ(霊感商法の手口)
「私の友達がへんな宗教に入ってしまって……」と相談を受けることが年に何度もある。この場合の相談というのは、入信した本人を普通の世界に連れ戻したいというよりも、その友達のことをどう理解したらよいのかというものだ。 そこで […]
第87話 病院の暗さ
Mさんを見舞って、病院の自動ドアから外に出て、私はふと思った。 どんなに病院が近代的なデザインを取り入れた内装をほどこしても、食事を選べるようになっても、看護婦さんたちがハキハキしていても、病院、特に病室は独特の暗さを […]
第93話 無視できない虫
調べ物のために数年間開いていなかった本をあけたりすると、体長一ミリにもみたないベージュ色の虫の姿が歩いていることがある。塔婆の上でも見かけたことがあるから、きっと木の繊維を食べる虫なんだと思う(名前をご存じの方は教えて […]
第108話 人生スカラカチャンといきたいね
まずもって、このタイトルの“スカラカチャン”だが、ほんとうは“スチャラカチャン” で、なんでも阿保陀羅経の調子のことらしい。そのアホダラ経とは――経文の訓読の真似をして作ったこっけいな俗謡。俗語で時事などを風刺した文句 […]
第109話 石橋の向う側
石橋の向う側へ行きたい人にいくつかのパターンがある。 その1、石橋が丈夫かどうか棒で叩きながら注意深く渡る人。 ⇒夜が明けてしまう。 その2、石橋の丈夫さを確かめるために、叩きすぎて石橋を壊してしまう人。 ⇒用心もほど […]
第110話 そこのけ、そこのけ、個性が通る
今回は埼玉の蒲生の小僧さんからのメールに反応してまいります。 メールはこんな内容――子供たちは小さい頃は正義のヒーローをかっこいいと真似をするけど、中学生頃になると不良っぽい漫画などの主人公にあこがれる。女の子の好きな […]
第115話 オンナの敵は……
いよいよ今回は第111話からの話の決着を迎えます。 “裸”という、私達人間にしてみれば当たり前であり、飾りのない姿で何かを表現したい女性ダンサーと、人間や宇宙のあり方の根源をもとめる仏教のお経によるコラボレーション。ラ […]
第118話 ひたむき
伝え聞く所によると、今回のリクエスト「徳を積むって、どんな生き方?」をくれたsaichanは、大手CD制作会社にいたものの、無性に歩いて四国遍路がしたくなったらしい。そこでなんと、思い切って会社を辞めてしまい、遍路修行 […]
第132話 丸ごとOK
ここに、自分の過去を否定し、現在の自分も否定している私がいる。 私は、お寺になんか生まれた(過去を否定)から、友だちから「医者と坊主は丸儲けー」などといじめられるのだ(現在がイヤ)。 私は天然パーマになんかで生まれた( […]
第143話 堂々人生
今週は七五三です。すでに文化の日あたりから街のあちこちで晴れ着の子供たちを目にしていますが、11月15日が正式な日。 朝から綺麗にお粧(めか)しして、写真撮影、お参り、親類縁者へご挨拶…“おかげさまでこんなに立派になり […]
第149話 八方ふさがり人生からの脱出
世の中には、これだけのことをすればこれだけの見返りがあるだろうと、熱心にやる人がいる。昇給目指して頑張る、サラリーアップを期待して張りきる、褒めてもらおうと躍起になる。ところがその見返りは期待通りにくるものではない。仮 […]
第156話 正直であること
私が“青春の応援団長”と呼んでいる若者がいる。ギブソンのギターをドがつくほど太い音で弾く。歌詞に込められた思いを、表情ゆたかに精一杯に歌いあげる。大阪箕面在住のシンガー・ソング・ライター――森源太である。 森源太公式サ […]
第166話 比べちゃ、ヤーヨ
何か人と違ったことをやろうとすると、親たちは言う。「他の人を見てごらん。そんなことをしている人はいないだろ」 そして、子供が「だって○○さんもやっているよ」と言うと、同じ親が言う。「人は人、あなたはあなた。どうして人 […]
第172話 ギャッ!牛乳パックの買い方……
今回は、高三の娘に誘われて行った、てんつくマン(改め軌保博光)のトークライブで身の程を知った話である。会場は約700人の人で一杯。 話の中で、彼は会場に向かって問いかけた。「この中で、牛乳パックを買う時に、棚の奥にあ […]
第173話 生き方と肩書き
この10月から、東京・荻窪の文化センターで般若心経の講座を一つ受け持つことになりました。講座タイトルは「…なんだそうだ般若心経」。お坊さんが一般の人と接触できるいい機会なので、月1回、全6回を楽しくやらせてもらおうと思 […]
第175話 年をとること
考えてみれば、私は今年4回目の年男だ。辞書によると“熟年”である。ぎゃっ!熟年とは60歳以上のことかと思ったら、やはり私は甘かった。 大辞林にはこうある…… 【熟年】円熟した年齢。五〇歳前後の年齢。中高年。実年。[小説 […]
第186話 単独行動(ソロ活動)
1ヶ月前の9月9日(土)に、密蔵院初の本堂での仏前結婚式があった。以前から「お寺で結婚式やればいいのに」と思っていたのだが、具体的に「やってくれないですか」と言われて初めて、それまで私が考えていたことが机上の空論だった […]
第187話 人生を○(まる)洗い
何と、垢抜けた、大雑把で、底抜けに気持ちのいいタイトルではありませんか。 人生を○(まる)洗い! この言葉が私宛のメールボックスに送られてきたのは9月25日、月曜日の午後のこと。一瞬唖然として、そのあと、腹を抱えて […]
第191話 あんな人になるために
今回は“ここみのPAPA”さんからお題をいただきました。添え書きにはこうあります。「自分が尊敬する人のようになるためには、その人の生き方や生活スタイルを真似するのが一番の近道だと思います。しかし、一方で個性が無くなって […]
第192話 人間性と学歴??
今回リクエストをくださった鹿児島の“みぃ”さんは受験生を持つお母さん。お嬢さんはあまり勉強熱心ではないけれど、性格はやさしくていい娘だそうです(母親の温かい眼差しを感じます)。でも……、“どんなに いい人♪ でも、成績 […]
第195話 自分の居場所
仏教に「無住処(むじゅうしょ)」という言葉があります。漢字から“住む所が無い”だからホームレスだと思ったら大間違い。これは、特定の場所に留まっていない、縛られていない、自由にどこにでもいられる――という、とてもいい意味 […]