菩提寺
第7話 保険と観音さま
「福聚海無量(ふくじゅかいむりょう)」 これは『観音経』の末尾に出てくる言葉である。 「福聚」は福の集まること、それが海のように広大で洋々として、しかも無量であるというのであって、これは観音さまの徳を讃えた言葉であ […]
第17話 互助 VI 檀家
先述(第16話 互助Ⅴ 布施)のとおり、日本仏教は寺の維持管理や堂宇の造立には、普請(ふしん:建設の仏教語で、広く寄進を集めてお堂等を造営すること)の語が示すように、檀家制度という特定の組織によって、その賄いや経費が集め […]
第38話 お経料って書かないで!
「住職さん、この包みには何て書けばいいんですか?お布施ですか、お経料ですか?」 「お布施がいいですよ。」 「お経料じゃダメ?」 「ダメです。料っていう字は、はかるっていう意味ですよ。坊さんの読経をはかるなんて変じゃない […]
第89話 20年の重さ
今回は朝、塔婆を書いていてふと思ったことを書きます。 明治以来120年間住職がいなかった密蔵院に夫婦で入って今年で20年になる。そして、57歳で母が亡くなって来年で20年になる。 20年前、密蔵院には広間として8畳 […]
第163話 霊感商法の手口
自分にとっての不都合の原因が思いつかない時、新聞折り込みの霊感商法のチラシ。「霊の障りは実在するのです。手遅れにならないうち早めの因縁鑑定を。鑑定料一件3,000円の安心料金」――もしやと思って電話をしてみる。概要を話 […]
第181話 アブナカッタ……
ある檀家さんがご両親の23回忌の法事の打ち合わせに来た時に「ちょっとお願いがあるんだけど」と少し言いにくそうに言った。「何ですか」「実は、ちょっとお骨のことで気になってることがあってね」「へえ、どんなことです」「うちの […]