第1話 銀杏ってなんて読むか?
お寺や神社には、よくイチョウがありますよね(銀杏はイチョウとも、ギンナンともよむのでカタカナで書きます)
密蔵院(※名取先生のお寺。詳細はプロフィールをご覧ください)にも夫婦のイチョウがあります。ギンナンがなるのは妻の方で、夫の方は花が咲きます(「オット、ツマンナイ」なんて親父ギャグの練習してる暇はありません)。
ところで、このイチョウって、自然には生えてこないのだそうです。誰かが植えないとだめなんだって。だから、密蔵院のイチョウも人の手で植えられたんです。
その理由は――火伏せ。イチョウは幹も枝も葉も、すごく水分があるんです。
どの家もお寺も木造だったころ、他から飛んできた火の粉で火事にならないように、火の粉も消してしまうイチョウが寺に植えられました。
さて、イチョウの葉が落ちる時期になりました。
約二カ月にわたって落ち続けるイチョウの葉たち――道路までたくさん飛ばされた「このイチョウは、昔の人が、お寺が火事にならないように」と植えた、火伏せのイチョウ。
古人と葉たちのおかげで今があります。
次回は、このイチョウつながりで半ば強引に話をすすめます。