第17話 ぼた餅

挿し絵 来週はもうお彼岸です。そこでリクエストがあったのにアップしなかった、小学生の"みみな"さんからの質問「なぜお彼岸に、おはぎを食べるのですか」でいきます。

 さて、オハギのリクエストに「ぼた餅」の題で、この文章を書くのには理由があります。それは、同じものを、春と秋で違った呼び方をするからです。紫色のあんこが、牡丹の花のように見えたり、萩の花がたくさん咲いているように見えるので、それぞれの季節に応じて呼び方を変えたようです(コシアン、ツブアンによって違うという説も……)。
 では、なぜお彼岸に食べるのか……あれって、じつは私達が食べるために用意されたものじゃないんだ。ご先祖さまや、仏さまに食べてもらおうと作るのが最初の目的なんだよ。仏壇にぼた餅をおそなえしたあとに、私達が食べるんだ。みみなさんは、ご先祖さまや仏さまの食べた残がいを食べるわけ(見た目は減ってないけどね)。
 では、なぜもち米とあんこのコンビネーション・フーズをおそなえするかというと……昔には、はなかなか食べられないもち米(ゴチソウだ)と大切な砂糖を使ったアンコ(これは大ゴチソウ)を、合わせた食べ物(貴重なもの)を、ご先祖への感謝としてそなえたんです。ほかにもその年に初めて食べる、ハツモノは、まず仏壇にそなえてからいただくんだよ。

 来週は、先週のお約束、自慢話つながりで「やることやった」の巻です。