第27話 「維摩(ゆいま)の部屋」その2
さて、前々回紹介した、仏教に精通し、大金持ちでありながら、それに執着することもなく、どんな場所にも出入りをして、周囲の人々を良い方向へ導いていってしまう維摩さん。
その彼が病気との噂がお釈迦さまの耳に。そこでお釈迦さま、お弟子たちに告げて言うには「誰かお見舞いに行っておいで」。
ところが、普通の生活しながらも、仏教の極意のような生活している維摩さんは、お弟子たちも叱られてしまうほど覚者。だから皆、しり込み、腕組み、粗大ゴミ。「私が行きます」などと勇気ある者とてなし。
そこへすっくと立ち上がるは誰あろう、おお、十大弟子の中でも、智恵第一の誉れ名高き、文殊菩薩その人でありましたー。ベ、ベン、ベンベン……
さて、お見舞いに参じた智恵の文殊さん。迎えるは、これまた仏教の達人維摩さん。いったいどんな会話がなされるか……じつはこの時、その部屋や周囲には何万という菩薩、天たちが2人の会話の行方に耳をそばだてていたというのです(野次馬ですな)。
立って半畳、寝て一畳の私たちの身体については、前回お話しましたが、あなたの部屋も、私の部屋も、維摩さんの部屋同様、ラジオ、テレビの電波は言うに及ばず、電話線もきているし本もある、中身はすごいことになってます。ウキウキするくらいです。
次回は、「小さいのと大きいの」つながりで「神田正輝さんと昭和新山」の巻。