第38話 お経料って書かないで!
「住職さん、この包みには何て書けばいいんですか?お布施ですか、お経料ですか?」
「お布施がいいですよ。」
「お経料じゃダメ?」
「ダメです。料っていう字は、はかるっていう意味ですよ。坊さんの読経をはかるなんて変じゃないですか。アンタのお経の読み方は○○円だってことになる。」
「そんなつもりじゃないんですけど……。」
「それに、ふつう料金というのは、もらう方が金額を決めるんです。バス代だって、ハンバーガーの料金だって、お客さんが決めるなんて聞いたことないよ。」
「なるほど……。」
「もしお経料って書いて、このお寺ではあなたの提示した料金では3分の読経です、って言われても何もいえないよ。だって自分で料って書いちゃったんだから。」
「やっぱりお布施か……」
「そう、お布施なら見返りを求めないってことだから、いくら包んでもらっても、な~に仮に包んでもらわなくたって、読むべきお経は読みますよ。」
※お寺によってはお経の「料金表」がある場合があります。詳しくは各菩提寺にお尋ねください。
次回は、蒼龍林さんのリクエスト「神の国の国境」でいきます。こりゃムズイ……