第68話 密教の仏[2] 釈迦如来ii
釈迦如来は二七日忌(十四日目に修する)の本尊である。
金剛不壊(こんごうふえ)といわれ、ダイヤモンドのように堅固で崇高な誓願で、煩悩や迷いが襲っても、一切揺るがない、破壊されない精神を保ち続ける如来である。
二七日忌の本尊が釈迦如来というのも、成仏に至るための修行に、最高の師を得て、正しい道を指し示して戴くためであろう。
お姿は正しい道へ導くために、常に説法を続けるの印(転法輪)を結ばれている。
基本的な教えは、[三宝印]「四諦(したい)」「八正道」で、三宝印は[諸行無常(すべての物は変化し移り変わる)」「諸法無我(すべての物には根源・実体が無い)」「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう すべての実体を悟ると透明で静謐な境地が開ける)」。
四諦は「苦・集・滅・道」で、世の四つの真理をいい、生死は苦しみであり、迷いや苦しみは何時いかなる時も襲い、それを克服(滅)する事が生きることであり、そのために道(八正道)を修めなければならない。
八正道とは正しい「見かた、思い、言葉、行い、生活、努力、安心、精神」で、捏槃(さとり)を得るための修行である。
密教では、法身生身の応化身と説き、秘密を易しく説法し、修行に立ち向かわせる尊師であるとし、沢山の経典を説いて、成仏を祈願し、我が子の如く、すべての悪行を除去して、悉くを救済して導くという。