第78話 密教の仏[7] 薬師如来ii
四十九日忌は、薬師如来を本尊として修す。
盡七日忌は、「立ち日」或いは「家の棟を離れる」といい、仏界への旅立ちを表す。又、薬師経の昼夜四十九編の読誦は、大病も克服する事から四十九日の本尊の説もある。
精霊は初七日よりの六仏により、生前の三毒や破戒律を焼盡した後に、大日如来を確認し、修行の正道を示され、智慧を修めます。次に智慧の実践業の行願を決意し、仏界への迷いのない導きを得て、更に仏教の大徳目の慈悲を修めて、成仏への完成を更に高め、成仏の暁にはいずれ帰る日も約束され、愈々仏界への旅立ちを薬師如来に請願する。
薬師如来は、我々の遠方への旅立ち同様に、生水の節制や、不意の病での難儀のための施薬を調合し、仏界への旅立ちを教化する。
更には十二大願
- 相好具足(光明を普く注ぎ全てを完成する)
- 光明照被(瑠璃の光明が覆い全てが成就する)
- 所具満足(智慧と方便で活動を無盡にする)
- 安立大乗(邪道を捨て大乗に安住する)
- 持戒清浄(戒律を保ち悪業に溺れない)
- 諸根完具(妨げ災いを取り除き全てを円満にする)
- 除病安楽(難病や諸病を即疾に除く)
- 転女成男(希望すれば女性も丈夫として成仏する)
- 去邪趣正(煩悩に犯される者を正見させ成仏させる)
- 息災離苦(権力や悪政から救い苦悩を除く)
- 飢渇飽満(飢えている者に充分な食物を与えて安楽にする)
- 壮具豊満(衣類の無い者に衣装を与え、心身を豊かにする)
を授けて、確かな成仏へ旅立ちを促す。