1999-2000

第1話 「母なるもの」とのふれあい-矢ガモはなにを教えたか-

 背中に矢を打ち込まれたカモのニュースを日本中の人々が心を痛めてテレビでみた。人間のあまりにも心ないふるまいによく耐えて、あちこち、とびあるくカモの姿は、まことに見るに忍びなく、ひたすら無事を祈ったことだった。 それにし […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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動物愛護
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第2話 お金とかあちゃん

「とうちゃん、かあちゃんとお金と、どっちがいい」「そりゃ、かあさんさ」ととうちゃんがいった。「一おく円でも」「うん」「百おく円でも」「かあちゃんはお金にかえられない」「ほんと」 かあちゃんとけんかして、おいだそうとしても […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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仏教用語夫婦親子
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第3話 心の財テク

 ある弁護士さんから聞いた話です。こんな相談を受けて、弁護士さんはびっくりしたというのです。  夫93歳、妻88歳の老夫婦、夫の資産は10億円、子供はいない。共に兄弟姉妹がおり、夫が先に死亡した場合、財産は妻に四分の三、 […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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夫婦親子遺産相続
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第4話 人間、動物、植物、みな生命

 通行量の多い国道や県道などで、車にはねられた犬や猫の痛ましい姿をよく見かける。こんな時世の中で、近ごろ、中日新聞に心温まる動物愛護の話が出ていて感動した。  愛知県豊川市の国道一号線で、ニホン鹿をはねてしまった会社員は […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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動物愛護
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第5話 良い人間関係をつくる「会話のコツ」

 こんな話がある。 寒い日、彼をにくからず思っている彼女が彼に声をかけた。 「お寒うございます・・・」 すると彼は 「ええそうですね」 ポツリと、これだけ。これではとりつくしまもない。彼の友人が、 「あんな時はアイソの一 […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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格言人付き合い結婚
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第6話 ストレスを進んで受け入れる

 “ストレスは病気の原因”だとか“ストレス解消のために”とか言って、ストレスはすべての人間にとって悪いものだ、ないほうがよいといった考え方が多いようです。 しかし、ストレスは避けられるものではありません。避けられない以上 […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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道徳・信仰ストレス
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第7話 ありがたきかな、この命

 昔の道話(人間の生きる道を教える話)の中に、“栗の食べ方”というのがある。  ここに十個の栗がある。この栗をおいしく食べるには、最初に一番おいしそうな栗を食べる。次に九個のうちで一番おいしそうな栗を食べる。次に八個のう […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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昔話・民話格言
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第8話 本当の親の愛はただ与えるだけ

 ほんとうの愛は相手からしるしを求めない。ただ与えるだけである。賢明な親は子供に愛を与えるだけである。ところが今日でも、「わしが苦労して働くのも。お前たちを養うためだ」などという父親に出くわすことがある。  親は子供に感 […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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親子
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第9話 幸せとは無事であること

 仏教では幸福のことを「無憂」という。憂い、つまり心配のないのが幸福なのだという。 確かに、人間にとって"無事である"ということこそ、幸福の正体であるといえよう。幸福とはこのように消極的なものなのである。憂い、心配のない […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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仏教用語
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第10話 十二月八日は釈尊成道の聖日

 十二月のことを昔から「シハス」といいます。これを師走、四極、極月などと書きます。  新井白石(江戸中期の儒者・政治家)の説によりますと、シハスのシはトシ(年)ということばの転じたものであり、ハスとはハツ(果つ)つまりも […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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仏教用語お釈迦様季節(冬)
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第11話 病は気から

 たとえそれが体の病であっても、心の影響をうけないものはなく、心のもつれの方を正しく処理することが決定的な意味を持つ場合が思いのほか多い。それを科学的な立場から実証しているのが、最近の身体精神医学である。  私の知人の三 […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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病気ストレス
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第12話 人間みな平等

 人間は決して人間を差別してはならない。釈尊は当時のインドのバラモンを頂点とするクシャトリヤ、ヴァイシヤ、シュードラの四つの階級差別社会(カースト社会)をするどく批判され、 「四姓は平等であり、尊卑上下の差別などない」 […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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親子差別
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第13話 人間は二度誕生しなければならない

 文豪トルストイはこう言った。 「人間は二度誕生しなければならない。一度は母親によって肉体の誕生を、もう一度は宗教によって魂の誕生をとげねばならぬ。この二度の誕生を経てはじめて本当の人間になるのだ」 と。味わい深い言葉だ […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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格言道徳・信仰
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第14話 小さな善事にも至大の価値がある

 仏教では、どんなにそれが“小さくても善い行い”というものには、至大(この上ない)の価値と意味があるものだと教える。一人の人を心から愛し得るものは、ただちに社会を人類を愛し得るものだと説く。これが仏教の説く大事な宗教的真 […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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昔話・民話道徳・信仰
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第15話 真実の自己を知る

 わたくしどもが順境にあるということは、仏教的にいうなら、五欲煩悩(性欲・財欲・食欲・名誉欲・安逸欲)の酒に酔いつぶれていることであります。  ところが、わたしどもは、いつ逆境にたたされるかわかりません。粒々辛苦して築い […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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仏教用語
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第16話 欲望を越えて心の尊厳を

 その昔、京都西の洞院に紀伊国屋という紙屋があった。主人は亦右衛門といった。大阪の本店から、百両の資本金を千両に殖やせという言い付けのもとに、日夜営業に肝胆を砕いた(工夫し、努力した)。 間もなく千両になったので、 「仰 […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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昔話・民話格言
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第17話 小さな横綱、千代の富士

「やることはやった、思い残すことはない」 このさわやかな言葉を残して、小さな大横綱、千代の富士は土俵を去った。史上最多の1415勝。戦後最多の53連勝等々の大記録。ことに休場明けで迎えた9場所のうち6場所の優勝は驚きのほ […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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格言
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第18話 人間は人間を差別してはいけない

 人間が人間を差別していじめるということほど、いけないことはない。よくわかっていながら、なかなか消えさらない。 仏教は徹底して人間平等を教えている。法華経の二十番目の常不軽品に出てくる常不軽菩薩のありかたが、人間のありか […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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道徳・信仰差別
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第19話 天下を持つ身に愉快はない

 八代将軍徳川吉宗は、十五代中での名君といわれる人物であった。 ある夏の夕、大奥で尼さんが湯浴みをして、いい気持らしいのをみて、  「ご機嫌じゃのう」 と言った。  「はい、天下を取ったようないい心地にございます」 と言 […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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昔話・民話
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第20話 人間は死すべきものである

「人間は死すべきものである」「私は人間である」「それ故、私も死ななければならない」  この三段論法は昔から言いふるされてきた。しかも、現代においても、それを動かすことのできない真理である。  ところが、人間が死ぬことを忘 […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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生と死
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第21話 いくつになっても生きる意味と目的を

 ストレスについて考えてみよう。  ウィッシャーというスイスの学者の報告例の中に、百二歳で死んだ女性の話がある。この老婦人は精神障害者の娘を看病していたのであるが、その娘が死んだ。するとその老母も後を追うように、間もなく […]

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長谷川正徳のちょっといい話
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1999-2000
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ストレス
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第22話 感謝の原理

日本医学界に大きな足跡をのこされた杉靖三郎先生がカナダヘゆかれたとき、ストレス学説で有名なハンス・セリエ博士を訪問されたそうです。 杉先生はセリエ博士に、 「現代人をストレスから救う良い方法はないでしょうか」 と質問され […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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仏教用語ストレス日本文化・伝統
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第23話 宗教者と長寿

 最近、郡山女子大学の森一教授によって、たいへん興味深い発表がなされた。 それは職業別平均寿命表というのであって、十種類の職業についてその平均寿命を調査したところ、上位の職業は以下の通りである。   一位 宗教家  二位 […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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生と死長寿・高齢化社会
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第24話 人には、さまざまな死のとらえ方がある

 北里大学病院の坂上正道院長は、  「人には、さまざまな死のとらえ方がある」 といわれ、次のように、ある死の場面を語っておられる。  重度の奇形をもって生れてきた赤ちゃんが、生後間もなく息を引きとった。聴診器を当てる。す […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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生と死親子
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第25話 心を育てなければ体はついていかない

 生まれたばかりの赤ちゃんは実によく泣きます。産声に始まる赤ちゃんの泣き声は、不快の表現であると言われています。  完全に保護されていた胎内から出てきて、音、光、においなど、あらゆる外界の刺激に対応しなければならないので […]

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長谷川正徳のちょっといい話
執筆年
1999-2000
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親子格言
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