2002-2004
第1話 銀杏ってなんて読むか?
お寺や神社には、よくイチョウがありますよね(銀杏はイチョウとも、ギンナンともよむのでカタカナで書きます)密蔵院(※名取先生のお寺。詳細はプロフィールをご覧ください)にも夫婦のイチョウがあります。ギンナンがなるのは妻の方 […]
第2話 森じゃジュウタン、町じゃゴミってな~んだ?
2か月間にわたって落ち続ける、密蔵院の夫婦イチョウの葉は、総量は45リットルのゴミ袋で、20~30袋。足を使ってギュウギュウに詰めてですよ。 で、これは家庭用のゴミとしては出せません。産業廃棄物なんだって。だからシール […]
第3話 もともとの色
『オズの魔法使い』という映画があります。主人公の女の子ドロシーが、黄色のブロックの道(イエロー ブリック ロード)を歩いて、魔法の国オズに行く話です。主題歌の「オーバー ザ レインボー」も有名で、私が仲間と声明(しょう […]
第4話 May 元気 be with you!(元気とともにあらんことを)
密蔵院の玄関には、フリーマーケット布教(略してフリマ布教。フリルのついたマントで布教することではありません)用の、額がたくさん飾ってあります。 先日のこと、近所に住む、密教好きのアメリカ人、サラさんがお茶のみにやってき […]
第5話 「おかげ」話のカラクリ
リクエストをいただいたので、「おかげ」でいきます(ウレシイ……)。 私たちは、色々な人や物から色々な影響を受けてますよね。仏教では縁とも言いますけど。 さて、この影響(縁)のうち、今の自分に良い影響のことを、私たち […]
第6話 未来投資型の自業自得論
ハンドルネームtabasaさんから「業」ついて教えてというリクエストいただきました。 そう言えば、半年程前に檀家さんから「ある人にあんたは業が深いからねって言われたんだけど」と相談がありました。ひどいことを言う人がい […]
第7話 私は宇宙と同い年
映画『スターウォーズ』は、未来の話かと思ったら、ある銀河で、はるか昔という設定なんですね。 宇宙の話はいいですね。時空のとらえ方が仏教の世界観と通じます。 さて、お題をリクエストしてくれた方に、差し上げる私の「言いたい放 […]
第8話 物事への関心度がわかるゲーム
密蔵院では、月に1回「話の寺子屋」を開催しています。 講師は元ニッポン放送パーソナリティの村上正行さん。78歳の大ベテランです。 この話し方教室は、言葉は心の現れだから、心をみがかないと、人を動かす話はできないという […]
第9話 お題拝借の裏事情
今回は皆さんからお題をいただくことにした裏事情―仏教加減乗除の秘密―について書きます。 私の師僧が、晩年言っていた言葉に「どんなことだって仏教という教えで割ってみれば、余りはでないはずだよ」というのがあります。 な […]
第10話 苦 ―ご都合通り―
暖かい日の翌日、急に気温が下がると「住職さん。こう急に寒くなったんじゃ、かなわねえよな」と玄関で言うオヤジさんがいます。その時にはこう返します。「そりゃ、旦那のご都合通りにはいかないよ」 仏教は、私たちがどうやって生 […]
第11話 関係ねえよ!
地下鉄でホームを下りたら、ジベタリアンと呼ばれる種族の一人に出会った。 服装が女子高校生だからコギャルのジベタリアンである。さぞやお尻が冷たかろうと思うと、昨今毛糸のパンツやら、紺パンと呼ばれる短パンもはいているのだそ […]
第12話 一人前 ―子供が居ても居なくても―
好きな話にこういうのがあります。 社会学の学者、儒教の先生、和尚に質問をした。「母親と、自分の連れ合い(夫or妻)が溺れていたら、あなたはどちらから助けるか?」◇社会学の先生は「社会では家族が一番元の単位だから、連れ […]
第13話 北枕のナゾ
この週末2月15日はお釈迦さまが亡くなった日、涅槃会(ねはんえ)です。 お釈迦さまは、80歳になったある時、いよいよ自分の臨終が近いことを知ります。そしてお弟子さんたちは沙羅の林の中に床をしつらえます。とにかく身体がし […]
第14話 入室禁止-愛語I-
お寺というのは、パブリックスペースとプライベートスペースの区別がついていません。ですから、檀家さんが「こんにちは、いるかい?」とガラリと開けるのは、玄関にあらず、廊下を歩いてきた突き当たりにある台所の戸なんです。 で […]
第15話 かわかない心
秋田のカニさん(もちろんペンネーム)からお題「渇かない心」をいただきました。ありがたいことです。そこで、第8話でご紹介したパーソナリティの村上正行さん(78)の忘れられない一言というのをご披露します。 村上さんがまだ […]
第18話 やることやった
今回は、ちょっと身内の話を書きます。 父は72歳で7年前に亡くなりました。肝臓ガンでした。亡くなる3年ほど前のこと、体調が良くなかった父がボソッと私に言いました。「俺は、お前達(兄と私のこと)に認めてもらえないと、死 […]
第19話 わたし、えらい?
前回の父の発言と同じ頃――今年中学二年の娘が3歳のことです。 ある日の夕飯、まだ小さかった娘が食べ終わったのは、いつものように、家族の中で最後でした。家内はすでに洗い物を開始。私はお茶を飲みながら、娘の行動をウォッチン […]
第20話 四つのお願い
他の人からほめられ、認められ、愛され、そして人の役にたちたいという人の根源的とも思える四つの願い――。私がこのコーナーお受けしたのも、考えて見れば、この四つの欲求を満たせてくれるに充分なものだったからでしょう。 ところ […]
第22話 モラルの原点
森さんから「モラルの原点とは」のリクエストが来た。 日本語辞典で調べたら「道徳」とでた。さらに英英辞典には「行為の善悪の基準となる原理」だって(原文略)……ますます、難しい。悪の代表とされる殺人にしても、チャップリン […]
第24話 立って半畳、寝て一畳
これは、ひと一人が必要な面積です。ひいては、所詮立っても半畳分、寝たって一畳分の面積しか占有できないのだから、大きな家が欲しいとか、あまり背伸びをしなさんなという意味で使われます。 ここまで読んで「まったくだ、どうせ […]
第25話 「維摩(ゆいま)の部屋」その1
「維摩経(ゆいまきょう)」というお経があります。お坊さんではないのに仏教に精通し、それを実践している維摩という人が主人公なんですが、この維摩を『仏教教典散策』中村元編著(東書選書37)で、小気味よく紹介をしてくれている […]