2002-2004
第51話 手相
ハンドルネーム、スーパーチビスマ主婦さんから「手相」で一席、とメールをいただきました(○○してそう、○○やってそう、なんてオヤジギャグは今回はやりません)。 今までに手相を見てもらったのは一回。それも10年前の35歳 […]
第53話 どうして人は歌うのか
『日本音楽の再発見』(講談社現代新書462)は作曲家團伊玖麿さんと、東京芸大の小泉文夫さんの対談集。ありとあらゆる分野から音楽文化を語っていて、とても面白い本です。 この中で、月に一回の声明(節付きのお経や讃)ライブで […]
第54話 本当のお坊さん
先月の15、16日に、東京ビッグサイトで行われた「デザインフェスタ」に参加した。密蔵院にはそれなりに、大勢の方が来てくれるのだが、それがなかなか広がっていかない。それならば、こちらから出てみようという単純な発想だ。坊さ […]
第55話 ジョークかくあるべし
はやしゆうさんとの出会いは、ありがたい縁だと思う。デザイン・フェスタで通路を挟んで向こう側にいたのだ。彼女の作品はご覧の通り。形容の仕方がよく分からない。オヤジギャグをここまで昇華させれば、作品がメッセージ性を持ち、もう […]
第56話 小学生に供養をどう説明する?
久しぶりに森さんからリクエストが来ました。「供養ってなに?誰のためにするの?先祖?自分?」というコメントが付されています。そこで、まず供養から。 両親とおばあちゃんと、お墓参りにきた3年生の男の子が、いきなり私に言い […]
第57話 たがために経は読む?
どう聞いても意味のわからないお坊さんのお経(へたをすると読んでいる方にも分からなかったりして……)だもの、いったい誰のために読んでるの?と言いたくなりますよね。だから、森さんや白雪さんからのリクエストの添え書きにあった […]
第58話 聞け!物どもの声
先日、家内(結婚20年になり偉くなったので最近は"お"をつけて、オッカナイと呼んでいる)の前で、これまた二十数年前に父が教えてくれたことを話す機会があった。 ある時、私は父にたのまれて本尊さまにご飯をあげた。用事をす […]
第59話 世間では、一般的に……
順司さんから「一般的に、社会的に、世間では」にどこまで信憑性があるんだろう……というリクエストがきました。 自分では一般的な世間の常識を心得ているつもりで、つい「まあ、一般的に厄年は節分までですよ」なんて言うくせに、 […]
第60話 何であなたがやらなきゃならないの!
世に、人から何か頼まれたら、なかなかイヤと言えない人は多い。頼めば引き受けてくれるから、そういう人のところへは、多くの仕事が来ることになる。なぜ引き受けてしまうかといえば、依頼に対して、NO!と拒否することに罪悪感を覚 […]
第61話 ショートケーキを二人でどうやって分ける?
仏教についてとてもわかりやすく解説してくれている人に、ひろさちやさんがいる。そのひろさんの講演で、10年前に聞いた話からスタートです。 ここにジュースのビンと空のコップがある。さて、このジュースをABの2人で文句無く […]
第62話 智恵と智慧(ちえ)
今回はまず、知と智、恵と慧、の違いから。漢和辞典によると“知”と区別して、おもにすぐれた知力の場合に使われるのが“智”だとあります。そして“恵”と“慧”は、“恵”が文字通り、ものをいつくしんだり、めぐむ力なのに対して、 […]
第63話 お尻に電気コードついてる?
冬になると密蔵院では、本堂の檀家さんが座る椅子の足元に細長いホットカーペットを敷く(6枚まで連結できるスグレモノである)。エアコンよりずっと温かく感じるからだ。設定温度はダニをやっつけると書いてあるレッドゾーンの“高温 […]
第64話 ニクダイワニ?
中学3年生になる娘とスーパーに買い物に行った。カゴを下げて通路をブラブラ。どこでもそうだが、特売品は棚にのせずに、通路に箱を積み上げて、派手なポップ字が踊っている。私はあまり缶詰は食べない(“鮭の中骨”は除く)。だから […]
第65話 採用最終合格の基準
2年前から毎月1回、密蔵院で、午後7時からやっている「村上正行さんの話の寺子屋」――この村上さんはNHKからニッポン放送(現在フジサンケイグループの親玉)開局と同時に移籍。以後ニッポン放送で定年まで過ごされて、今年80 […]
第66話 暗い話し方の裏側
密蔵院で「話の寺子屋」の講師をしている村上正行アナは、心のあり方から掘り起こして、参加者の心と話し方をブラッシュ・アップしてくれる。 世にあふれている話し方教室は、広告で“人前で話せない人が、数千人の前でも堂々と話せる […]
第67話 食べ物の好き嫌いと人の好き嫌い
和という漢字は、穀物を表す禾偏(のぎへん)と、食べることを意味する口からできている。つまり、なごやかなのはご飯を食べてる時なのよ、と中国人は知っていた。だから、ご飯はなるべく家族そろって食べましょう! さて、人には食 […]
第68話 道がつくには……
今回は俳句の根本先生との会話からスタートです。 根本さんはあちこちの会で200人くらいのお弟子さんがいる。私が昔通っていた喫茶店の常連さんの一人だった。 ある時カウンターにいた私に、根本さんがコーヒーカップを手にして […]
第69話 辿りついてみたら……
世界は無数の宇宙が関係しあって存在している。マクロでは全宇宙大、ミクロでは私たちの細胞一つ一つの中にも宇宙が存在し、すべてが関係を保ちながら、全体で一つである――そんな宇宙観をもっているお経がある。華厳経だ(奈良の大仏 […]
第70話 ヤバイもん見ちゃったなぁ~
昨年のデザイン・フェスタに出品した言葉の一つ、「好きなことしてるんなら 嫌な顔しなさんな」に共感してくれたことが縁で、自主制作のCDまでくれた5人組のバンド『輪』。調度品と化していた私のギターを差し上げることになり、取 […]
第71話 言いたいことが後に来る……
世に言われる……“奴は酒は飲むが、仕事はできる”なら使おうと思うが“仕事はできるが、酒を飲む”だと使う気にならぬ……と。これは単に、言葉の順序が大切だというだけでなく、私たちは、本当に言いたいことは最後に言うという習性 […]
第72話 風のいどころ
はらはらと散りゆく桜の花びら。あるものは地面に落ち、あるものは春風にクルリン、クルリンとどこかへ運ばれていく。そして、ふと思う――明日、あの桜を運んだ風はどこで何を揺らしているんだろう……(昔の少女漫画みたいで、少しテ […]
第73話 クチ下手
正直なところ、私は知らない人と一緒にいるのが、とても苦手である。何を話したらいいのかわからないからだ。つまり口下手である。周囲の人は、あんなにしゃべっているくせによく言うよ!と言うのだが、それは物事の本質を見ていない発 […]
第74話 皆に好かれる人よりも…
4月1日に、東京のお寺さんが経営している幼稚園、保育園の新任の先生たちの研修会で、講演と写仏実技の講師を勤めた。 写仏というのは、仏さまを和紙にトレースするひとつの修行だ。しっかりしたものを描こうとすれば、普通で2時 […]
第75話 勘違い親孝行その1
大学卒業後にすぐ、栃木県の私立の商業高校の英語の教師を1年やった(1年だからやったうちには入らないけどね)。 ヤンチャな子供たちに人間への不信感をつのらせ、父の具合も良くなかった(肝硬変だった)ので、お寺の仕事を手伝 […]