2005-2007
第101話 101回目のプロ坊主
さて、いよいよ、第二ステージの開幕、101回目だ!腕によりかけて、プロの坊主が身体にしなをつくって、始まりでございます。 そこで、今回は伊東市の“きよ”さんからの「親の躾と学校教育」というお題を土台にまいります。 むず […]
第102話 さようなら、またね……のあと
密蔵院では、アナウンサーの村上正行さんをむかえて『話の寺子屋』が月一回開かれます。その会で、先月すごくショックなことがあったので、今回はそれをご紹介します。 だいたい勉強会とか研修会なんかは、出席しただけで“できるよ […]
第103話 天井の穴
猛暑の昨年8月のことだった。本堂へ行くと頭上の天井裏から、カチャ、カチャと不安げな足音と、ピィ、ピィと泣く(「鳴く」ではない。それほど悲痛にひびいていた)声がした。本堂の屋根の隙間から鳩が出入りしていることは知っていた […]
第105話 ケンタは食べられない
第103話からの続きです。まずそちらをお読みください。 両面テープがないことに気づいた時、私のココアと小麦粉をまぶしたような顔。充血した目。汗の重みで垂れ下がったTシャツ。右手は木槌を離しても握った形のままだった。 […]
第106話 大往生って言わないで
70歳の男性が亡くなった。その一年ほど前から身体の具合が悪く入院したことは知っていた。しかしその間、家族が先祖の墓参り来た時に「お父さんの調子いかがですか」とは、聞けなかった。お坊さんがそんなことを尋ねれば“死ぬ時期を […]
第107話 頑張ってって言わないで
うつ病の人に“がんばって”と言ってはいけない。回復しようと一所懸命になって頑張っていて、それ以上は無理なのに、そんなことを言われれば、精神的負担が増し症状が悪化することがあるからだ。 身近な人を亡くして間もない人にも […]
第108話 人生スカラカチャンといきたいね
まずもって、このタイトルの“スカラカチャン”だが、ほんとうは“スチャラカチャン” で、なんでも阿保陀羅経の調子のことらしい。そのアホダラ経とは――経文の訓読の真似をして作ったこっけいな俗謡。俗語で時事などを風刺した文句 […]
第109話 石橋の向う側
石橋の向う側へ行きたい人にいくつかのパターンがある。 その1、石橋が丈夫かどうか棒で叩きながら注意深く渡る人。 ⇒夜が明けてしまう。 その2、石橋の丈夫さを確かめるために、叩きすぎて石橋を壊してしまう人。 ⇒用心もほど […]
第110話 そこのけ、そこのけ、個性が通る
今回は埼玉の蒲生の小僧さんからのメールに反応してまいります。 メールはこんな内容――子供たちは小さい頃は正義のヒーローをかっこいいと真似をするけど、中学生頃になると不良っぽい漫画などの主人公にあこがれる。女の子の好きな […]
第111話 困ってるんです
今年の1月下旬のことである。知り合いのお寺から、ウキウキするような相談があった。32歳の女性ダンサーのTさんが、京都でお坊さんのお経を聞いて鳥肌がたつほど感激。しかれば、そのお経で踊ってみたい!すでに京都で2回の公演を […]
第112話 まあイヤラシイ
この話は第111話からの続きです。まずそちらを読んでください。 ヌードダンサーでもあるTさんは言った。「私は脱ぐことにこだわっているんです」 こんな書き方をすると誤解をする人がいるかもしれないが、坊さんの私には彼女のこ […]
第113話 キャンセルの理由
(この話は第111話からの続きです。まずそちらを読んでください。) お経でダンスを踊りたいというTさんは、2月11日建国記念日のライブに、京都でやってくれたお坊さんがどうしてキャンセルになったかを話してくれた。「それが […]
第114話 だって困ってるんでしょ
(この話は第111話からの続きです。まずそちらを読んでください。) 家内にしてみれば、私のやろうとすることは無謀以外の何ものでもなかった。どんなステージになるかも分からない。宗派に属している私がヌードダンサーと共演する […]
第115話 オンナの敵は……
いよいよ今回は第111話からの話の決着を迎えます。 “裸”という、私達人間にしてみれば当たり前であり、飾りのない姿で何かを表現したい女性ダンサーと、人間や宇宙のあり方の根源をもとめる仏教のお経によるコラボレーション。ラ […]
第117話 粋な浮気と野暮な浮気
“般若のお面の般若って、仏教に関係あるんですか?”と時々きかれることがある。般若心経を唱えている人ならば、般若が智恵(ちえ)という意味(パーリ語のパンニャの音写語)だということは知っている。だとすると、どうしてその智恵 […]
第118話 ひたむき
伝え聞く所によると、今回のリクエスト「徳を積むって、どんな生き方?」をくれたsaichanは、大手CD制作会社にいたものの、無性に歩いて四国遍路がしたくなったらしい。そこでなんと、思い切って会社を辞めてしまい、遍路修行 […]
第119話 人の為と書いて偽?!
偽善の偽である。“いつわり”だ。人の為というこの漢字を作った人も、その使用を認めた人も、世の中の「人のためと言いながら、自分の利益ばかり考えているニセモノ」をずいぶん見聞き、そして体験したんだろうなあと思う。私にはそん […]
第120話 早期癌で良かった…
22年前に、母の膵臓癌が見つかった。自分自身のことであるのに、母は自分の病名を知らず、私たち家族は母を1年半だまし続け、母はだまされた振りをしてくれて逝った。そのことがきっかけで、当時仏教情報センターが月一回、築地本願 […]
第121話 バカは死ななきゃ…
京都堀川病院の元院長の早川一光先生が講演の中で、西陣の街の二人のおばあちゃんの死を紹介しておられる。 “一人のおばあちゃんは、若い時にご主人を亡くした。お金に苦労することも多く、仕方なく親戚にお金を借りにいったことも […]
第122話 それを修行っていうんでしょ
意識が朦朧とした時に人の本性が出てしまう、とお年寄りの治療をしてきた早川先生(第121話「バカは死ななきゃ…」参照)は言う。だとしたら、このサイトで120回にもわたってエラソ~なことを書き続けている私は、病気になって意 […]
第123話 いい・かげん
さて、今回は掛川市の“ひじき”さんからのリクエストのお題をそのままイッタダッキマ~ス。 今年大学に入った次男が小学校5年生の時のことだ。次男だから、親からかまわれなかった反動で無鉄砲なところもあるのだが、兄の失敗を見 […]
第124話 いい・加減
(「第123話 いい・かげん」からの続きです)せっかく風邪で眠っていたのに、看護婦さんに言われた“8時間おきに薬を飲むこと”を至上命令かのごとく思い込み、目覚まし時計まで使って起きて、わざわざ薬を飲む小学5年生の次男。 […]
第125話 病の流れ流れて行くところ?
今回の“都鳥”さんからのお題は、最後の?マークが、じつに深いです。病をかかえている方の心の揺らぎがそのまま出ているような気がします。 幸いなことに私は、入院はおろか、通院するような病気にもなったことがありません(そんな […]