2005-2007
第126話 ソウルメイト
ペンネームwitchさんから、ボランティア活動で知り合ったすごくいい人から、かなり影響を受けて自分の生き方まで変化したみたいだが、そんな運命の人的お題で書いてごらんなさいませ、とリクエストをいただいた。ご自身もそんな人 […]
第127話 盲目の尊敬
森鴎外の短編に、破天荒な言動をする二人の僧侶と、その二人が文殊菩薩と普賢菩薩の生まれ変わりだと聞かされて会いに行く人物を、ユーモラスに描いた『寒山拾得』がある。鴎外はこの作品の中で、物語をあえて中断して、話の流れをスム […]
第128話 何のための超能力
お寺の本堂へ行くと、お堂の軒下や、廊下に座っている、頭がツルツルのお坊さんの像と出くわすことがある。通称“なで仏”“お賓頭廬(びんずる)さん”として親しまれている。この方は、お釈迦さまの弟子の一人、つまりインド人で、正 […]
第129話 アブナイおばさんの装い
西国観音霊場第三十番の札所は、琵琶湖に浮かぶ竹生島の宝厳寺。ご住職の峰覚雄さんは、私のお友達。今回ご紹介するのは、彼から十年ほど前にきいた話です。 その年の春先のこと。彼はいつものように、船でやってくるお参りの方々を […]
第130話 子は親の鏡?
reikoさんからのお題に、私が勝手に「?」をつけました。 さて、広辞苑の【鏡】(キョウ)には、手本になるものという意味があります。だからこそ “親は子供の手本となるべき存在ですよ”なる意味で、親は子供の鏡といわれたり […]
第131話 魔法のメガネでみえるもの
アメリカのテレビドラマ(たぶん“トワイライト・ゾーン”)の中に、次のようなギャッ!という一話があるらしい。 ある男が道路でメガネを拾った。ところが、このメガネ、ただのメガネではなかった。なんと、ものごとの真の姿が見え […]
第132話 丸ごとOK
ここに、自分の過去を否定し、現在の自分も否定している私がいる。 私は、お寺になんか生まれた(過去を否定)から、友だちから「医者と坊主は丸儲けー」などといじめられるのだ(現在がイヤ)。 私は天然パーマになんかで生まれた( […]
第133話 Stay out of it
今回はミケさんからの「ギャンブルで何か」というリクエストをうけて綴ってまいります。 ギャンブルと言えば、私にとってはパチンコ。大学生の頃、三時間ほど早めに家を出てパチンコ屋に入り、結局学校に行かなかったことは、一度や二 […]
第134話 地球洗隊エコレンジャー
20代後半の3人の若者が、ゴー!ゴー!的ノリで、5月5日(ゴーゴーである)に北海道の稚内から歩きはじめた。向かう先は沖縄である。到着予定日は今年の大晦日だ。その彼らの持ち物はリヤカー(持てない……ので引くんですけどね) […]
第135話 「動けば変わる」の土台
この夏、密蔵院に泊まってくれて、色々な話をしてくれた若者合計10人……。「動けば変わる」と言う言葉が彼らには、ぴったりです。(※密蔵院は宿坊ではないので念のため) 家庭で二酸化炭素削減をはじめましょう――と、家計簿で […]
第136話 どっちを選ぶ?
今回は、仏教を少し勉強した人なら知っている(?)こんな問題からスタートです。 <問>あなたの目の前で、奥さん(or旦那)と、自分の親(父or母)が溺れていたとします。あなたはどちらを先に助けますか? この問題に、社会 […]
第137話 縁起担ぎ?
学校の運動会の日に雨がふりそうだった。当時PTA会長だった私を含めて、来賓たちはとりあえず学校に集合。会議室に集まった。校長が入ってきて、恐縮しながら「どうも、私のふだんの行いが悪いものですから、こんな天気になってしま […]
第138話 ホンコン風が吹いた
娘の高校の姉妹校(オーストラリア)から、10日間(9/17~26)の日程で交換留学生が11人きた。一週間前になっても2人分の受け入れ家庭(ホストファミリー)が決まらなくて、我が家に白羽の矢がたった。 我が家の子供3人は […]
第139話 分かりあうための言葉
(この話は第138話 ホンコン風が吹いたからの続きです) 10日間の交換留学生の受け入れ。学校側は、オーストラリアの姉妹校からやってくる高校生達をお客さん扱いはしなくていいですと言ってくれた。しかし、たった10日間、そ […]
第140話 二股大根、八百屋の隅に捨ててある
それにしても、今回の兵庫の山口さんからのお題は、妙にイメージしやすいですね。どこかで見たことあるような……でも、一般の八百屋さんではあえて二股大根の仕入れはしないでしょうから、見ている筈はないわけです。私の想像力過多か […]
第141話 天寿って何?
『広辞苑』によると天寿とは“天から授けられた寿命”とあります。しかれば、天とは何だ?……と調べてみれば、空や空模様などに続いて “[4]天地万物の主宰者。創造主。帝。神。また、大自然の力。「天命」「天然」”とあり、[5 […]
第142話 皆に待たれて 逝(ゆ)く人は
芸能界では、人気絶頂の時に引退する人が時々います。山口百恵、キャンディーズなど、ファンならずとも「まだ続ければいいのに」と引退を惜しみました。さらに引退ではなく、尾崎豊、X-JAPANのhideたちのように人気絶頂で亡 […]
第143話 堂々人生
今週は七五三です。すでに文化の日あたりから街のあちこちで晴れ着の子供たちを目にしていますが、11月15日が正式な日。 朝から綺麗にお粧(めか)しして、写真撮影、お参り、親類縁者へご挨拶…“おかげさまでこんなに立派になり […]
第144話 ザケンナ!
“他人を恨むエネルギーと許すエネルギーはだいたい同じである”という言葉に出合ったのは30歳代前半だっただろうか。何となく気になる言葉だったので、今でもしっかり脳裏にインプットされている(仏教者が言った言葉かどうははっき […]
第145話 後ろ髪、引くに引かれぬ坊主の頭
ここ5年ほどで、以前は頭だったところが額になってきた。これだけ私がお茶目な表現をしているのに、檀家さんは「住職もずいぶんはげ上がってきたなあ」とストレートに冷やかす。短くても髪の毛があるから、頭髪前線の後退が一目瞭然な […]
第146話 無理やり好奇心
11月12日(土曜)、長野市内で約2時間のお話を頼まれた。午後1時からだったが、折しも紅葉シーズン。朝東京を出て、2時間緊張しっぱなしで法話してから、渋滞の高速道路を5時間以上もかけて帰って翌日法事!……では身体がもた […]
第147話 相手への興味、関心、好奇心!
今回は先週(第146話 無理やり好奇心)からの続きです。まずそちらをお読みください。 居酒屋でトイレの場所を知らないという初対面の出張風サラリーマンの言葉に、「ああ、そうですか。失礼しました。では、店員さんに聞いてみ […]
第148話 人に聞こえる独りごと
密蔵院で3年半にわたって「話の寺子屋」の講師をしてくださった村上正行さん(今年6月に亡くなった)は、大正13年生まれ。早稲田大学法学部から海軍へ。そして敗戦。焼け野原の東京で何気なく見た新聞の"NHKアナウンサー募集" […]
第149話 八方ふさがり人生からの脱出
世の中には、これだけのことをすればこれだけの見返りがあるだろうと、熱心にやる人がいる。昇給目指して頑張る、サラリーアップを期待して張りきる、褒めてもらおうと躍起になる。ところがその見返りは期待通りにくるものではない。仮 […]
第150話 曼荼羅? 序
今回はチベットの曼荼羅にほれこんで、ついに手描きのチベット曼荼羅を買ったというマティトミさんからのリクエストに反応してまいります。ちなみにマンダラは、もともとサンスクリット語なので、音写した場合に曼陀羅とか満荼羅とか曼 […]